研究開発費の補助をもらうには???

グループ単位や機関単位の研究には、莫大なお金が掛かるのは言うまでもないが、個人研究とてそれなりにお金が掛かるものだ。ましてや、研究だけでなくプロトタイプ開発や実装まで行うとなると開発費もばかにならない。

企業で言えば投資&回収というモデルが立てられるのだが、研究所や大学などは文科省などからの補助金(外部資金)が”頼みの綱”となる。そこで、科学研究費補助金(いわゆる科研費)について、勉強してみた。というか、今日たまたま、ある学術調査官の講演を聴く機会があった。

学術調査官の仕事は、採択や費用配分などの決定を行う表の仕事ではなく、あくまで裏方の仕事であり、負担が大きい。本業にも影響が出ているということで、かなり不満を漏らしていた。

本題にはいる前に、まず科研費とは何か?を押させておきたい。

科学研究費補助金科研費)とは?

● 我が国の学術を振興するため、人文・社会科学から自然科学まであらゆる分野で、独創的・先駆的な研究を発展させることを目的とする研究助成費です。

● 大学等の研究者又は研究者グループが自発的に計画する多様な学術研究のうち、それらの研究分野の動向に即して、ピア・レビュー(注)により特に重要なものを取り上げ、研究費を助成しています。

(注)ピアレビュー…専門分野の近い研究者による学問的意義についての評価。延べ約6千人の研究者が、書面審査、合議審査及びヒアリングに関わっています。

● 萌芽期の研究から最先端の研究まで、多様なメニューで研究者を援助しており、その研究成果は、ノーベル賞をはじめ、研究者の国内外での様々な受賞につながっています。


ということで、お題目としては、独創的・先駆的な研究(=学術的なブレークスルー)を目的としている。しかし、実際には、学術的なブレークスルーなどは二の次で、予算が拡大できることが重要とのこと。

そして、申請が採択されやすい条件としては、まず以下の条件をクリアすること。

  • 実績のない絵空事や思いつきは採択されにくい
  • 具体性・新規性が重要
  • 成果が現れる見通しがあること

つぎに、「相手を知る(=審査側の負担を考える)」ことが重要であるとのこと。そのためには、以下のポイントに留意すべしとのこと。

  • パッとわかる絵や写真を効果的に使う
  • 素人にもわかる書き方と表現とする
  • 長々と書かずに、簡潔な表現とする

それならば、いっそのこと動画でプレゼンを撮って見せるとか、実装したプロトタイプを添付するとか、した方がよっぽど審査側の負担も軽くなると思われるのだが、どうもそのような乗りはまったくないらしい。今日の講師の調査官が法学部系の先生だったからかも知れない。理工系の先生だったら少しは理解してくれたと思うのだが。

私も個人研究を考えていて、ベンチャーの協力を得て、技術的な裏づけを取って、プロトタイプぐらいは作った上で、申請を出したいなぁなどと思っている。まあ、私の場合は、研究と言うより、ビジネス視点なのだが。