労働組合の危機!?

夜、労働組合の集会に行ってきた。年に1−2回ぐらいしか顔を出していない。
そもそも、周りの人がほとんんど組合に入っていない不思議な組織なのである。

昨晩のテーマは、今年度の総括的な内容であった。活動報告、会計報告、旧役員&新役員挨拶 等々。
しかし、最も深刻な事態は、組合加入率の減少ではなく、既存組合員の脱退(いわゆる組合離れ)である。
特に勤続20年クラスの脱退が増えているとのこと。その理由は、毎月の組合費だ。勤続20年ともなると、月6〜7千円にも及び、きつきつの生活をさらに苦しめているということだ。

確かに、月6〜7千円浮けば子供の習い事もさせてあげられるし、通信費に充てられる、2回ぐらい飲みに行けるし、ビジネス書も4〜5冊買える...と考えてしまう。

確かに、組合に入っていても目に見えるメリットを享受することは少ない。
ちなみに、私は家を購入する際に「労金の住宅財形を利用するには組合に入っていないと利用できない」という理由から、やむを得ず加入したという経緯がある。

そこで、労働組合のそもそもの定義や目的を調べて見た。

労働組合(ろうどうくみあい)は、賃金労働者が、自らの生活条件や社会的地位の維持と向上を目的にして、自発的に団結して組織した団体。略称、労組(ろうそ、ろうくみ)。
出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

主に、労働条件の維持・改善、また経済的地位の向上を目的に設置される労働者の権利を守る機関。
その規模は、企業別・職業別・産業別などの形態がある。
また、労働組合の権利は、憲法労働組合法により保障されている。
かつては春闘に代表される賃金闘争が主たる活動だったが、時代や経済状況の変遷により、近年は労働環境や労働者の権利といった方向に活動がシフトしている。
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つまり、日頃お世話になることは少ないが、「イザという時に働く者の権利を守ってくれる団体」なのだ。経営者当局側からの、不当な給与・休暇カット、解雇通告、異動(左遷)、いじめ等々があった時に、相談に乗って一緒に戦ってくれる「駆け込み寺」とも言える。

しかし、日本においては、近年「組織率低下」の傾向が見られる。

第二次世界大戦の直後は全労働者中に占める労働組合員の比率(組織率)も60%以上に達していたものの、年々組織率は低下し、2005年末現在においては18.7%まで下落するに至った。また、従業員が100人にも満たない小企業における労働組合の組織率は3%にも満たないと言われている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

労働組合が何か活動をすると「抵抗勢力」や「何にでも反対する」というというレッテルを貼られたり、さらには先入観から労働運動自体に眉をひそめる人もいる。積極的に首を突っ込んでしまうと、昇進に支障が出ると考える人も少なくない。

このような「弱者や抵抗勢力の不毛な集まり」という”ネガティブなイメージ”を払拭して、職場での悩みや意見を共有して、少しでも働きやすい職場環境の構築を支援する「自由闊達なコミュニケーションの場」としての組合になればいいなぁと強く感じた。

数多くの人が参加し、裾野を広げることで、一人一人の組合費負担を下げられればと思う。微力でも、そのための働きかけをして行きたい、そんなことを感じた夜だった。