MakeIT21 on 2007.11.3

今日のゲストは、ホッピービバレッジ株式会社取締役副社長の石渡美奈さん。
テーマは、飲料再生(だったかな?)。ともかく、元気な女性だ。

ホッピーの暖簾は昔町田に勤務しているときに見たことがあるが、実際に飲んだことあったかな?記憶にない状況だが、番組開始前までは、正直「まだ在ったんだ」ぐらいにしか思わなかった。ともかく、ホッピーに関する情報もイメージもなかった。ただ1つ、「大衆酒場向けの安く軽いお酒」という印象だけはあった。

ホッピーとは、ビアテイストの清涼飲料。ビールと似ているが、最終的にアルコール度数を0.8%にする。ビールは高嶺の花だった時代に、早く安く酔えるものとして広まった。サワーの基となる飲み物。

祖父が明治43年に赤坂でラムネ屋で起業した店を、祖父→父→娘と家業を継いで、5年で年商3倍アップに導いたとのことだが、それまでには様々な紆余曲折があったとのこと。

とにかく、がむしゃらにホッピーをリドライブしてきた訳だが、当初マーケットでのホッピーの印象はどん底だったとのこと。「古い酒、危険な酒、ホッピーだけは飲むな、終わった酒、体育会系(ハード)な飲み物」というイメージが植え付けられていた。

マイナスイメージをプラスに転換するために、できることは何でもやったとのこと。広告戦略としては、ブログ、HP、ラジオ(エリアを絞って)、雑誌(記事広告)などを使って、まず、誤りを正す活動から入り、次に、周辺情報、世界観、イメージや作り方をしっかり伝えることにした。「安全でやわらかい飲み物である」とか「手間隙かかっているんだよ」とか、ともかく「自分の言葉でしっかりと伝えたい」という思いが強かったようだ。

最初から家業を継ぎたかった訳ではなく、一人娘で物心ついたときには商いをやっていたので、いずれ、家を継いでくれる婿さんを探して自分は事務などの補助仕事をやるつもりだった。それだけに有能な婿養子を望んでいたが、現実は厳しかった。実際に結婚した後も、理想と現実のギャップに苦しみ、わずか半年で離婚。

では、これまでどんなことをしたのか?2002年副社長になってからどのように会社を変えようとしたのか?とにかく、外で学んだコトを全部取り入れようと思った。しかし、その結果は...。一番の味方(工場長)から辞表を突き付けられ、さらに工員全員が辞めたいと言っていることを知らされショックを受ける。

失敗の最大の要因はコミュニケーション不足。「一人で突っ走ってしまった」のがいけなかった、とのこと。工員からみれば、「社長が勝手に何かを始めた」、「何をしているかわからない」、「協力したくてもついて行けない」などの悪循環に陥ったようだ。そこで、ようやく「自分の思いだけではダメ」「社員の実行が伴わないものはダメ」を実感した。この下りは、私にとって今一番痛感しているところだけに、心に響いた。「やっぱりそうだよな」と。

そこで、コミュニケーションの改善を目指すべく、「工場現場に行く」、「社員に声掛けする」、「一緒に飲みに行く」といった具体的な行動に出た。とにかく、回数を増やして接触していく努力をした。その結果、半年ぐらいでだんだん円滑になってきたとのこと。

2010年には100周年を迎える。目標は「小さくても構わないから200年続く会社にすること。ホッピーをなくさないこと」と壮大だ。

やはり、現場との対話。時にはコンフリクトもあるだろうが、積極的に現場の懐に飛び込んで、自分の思いを直接ぶつけて理解を得ることが大事だということだろう。

私も、ややもすると自分の思い先行で暴走してしまう傾向があるため、今日のテーマはグッドタイミングだったかもしれない。「身近な人に自分の思いをできるだけわかりやすく伝える」→「理解」→「納得」→「共感」から円滑な仕事やアイデアが生まれるのだ。当たり前のことだが、一番難しいことかもしれない。

とにかく、「声掛け」から実践して行きたい。