MakeIT21 on 2007.11.10

今日のゲストは、コミック&インターネットカフェ「株式会社アプレシオ」の代表取締役社長の馬場正信さん。

コミック&インターネットカフェとは、業態としては「漫画喫茶をイノベーションしたもの」。「複合カフェ」とも呼ばれており、アプレシオは現在90店舗で内64店舗がフランチャイズで、残りは直営とのこと。

ネットカフェ市場をみると、年間13%成長率、2300億円市場。全国2500点強あり。成長の背景は、インターネット環境のインフラ整備とPC価格の定価などがある。利用のメリットは「都会の喧騒でパーソナルエリアが持てる」「利用料が安い(1H450ー500円ぐらい)」「ほっとする空間がもてる」「帰宅する前にもう1つの自分の部屋が持てる」など。ショーンK氏曰く「書斎やリビングのアウトソーシング」とのこと。

一方、ネットカフェ難民厚生労働省が名付けた)は約5000人。確かに一部にはいるが...0.01%ぐらいではないか、と馬場さんは語る。6500万人中の5000人と考えると少ない。それよりも、言葉から受ける印象が「汚い」とか「暗い」というイメージがあり払拭したいようだ。

私は、過去2-3回ぐらいしか利用したことがないが、確かに暗くてあまり清潔感は感じなかった。田町にも「アプレシオ」があるとのこと。ぜひ利用してみたい。

馬場さん自体の経歴は、ドーナツショップレンタルビデオ経営を経てインターネットカフェへ。兄が上場させ、自分も上場させたとのこと。自分でも上場しようと思ったきっかけは、兄が上場したときに奥さんが掛けてくれた一言だった。「今度は自分の夢を追いかけたら」と。奥さん自体、ディズニーのサービスのように障害者にもやさしいホスピタリティ溢れるサービスの実現を心待ちにしていたので、自然とそのような言葉が出たのだろう。

馬場さん自体、11人兄弟で、みんなそれぞれ起業していたという起業家一家だ。周囲の環境もあって起業を決意したとのこと。やはり、身近に起業家がいると、良い面・悪い面を含め、実態が良く見えるのでいいな。

ともかく、周囲の後押しがあって、インターネットカフェを始めた。インターネットカフェで行こうと思ったきっかけは、ソフトバンク孫さんの影響とのこと。当時インターネットの波に乗らないと時代に取り残されてしまうのでは?ぐらいの勢いがあったので、迷い無く入り込んだ。しかし、当時のインターネットカフェはたくさんお客さん入っていものの客層があまりよくなかったので、この雰囲気を払拭すべく、新しいビジネスモデルを考えた。

また、ユニークな事業展開として、直営店ではなくフランチャイズからスタートしたことだ。通常のモデルとしては、直営店をつくってからフランチャイズをやるべき、なのだが、前例として、セブンイレブンが1号店からフランチャイズをやって成功していたことに触発されたことと、お金もなかったので、加盟店から始めた。

奥さんとの馴れ初めは、30歳で役員になったときに「役員たるもの奥さんと家庭がないと」と思い立ち、お見合いで知り合って「5回のデートで決めてくれ」と言ったこと。そして、4回目で見事にゲット!これも凄い話だが、「結婚した後も、恋人気分で、お互いにいつまでも成長できるようように」との意図を聞いて納得した。

今日のポイントは以下の3点かな。


○ビジネスにおいて最も重要なことは、1に「志とビジョン」、2に「自分が本気でやれるか」。


○事業展開で大事なことは、「ゴールを決めて逆算すること」。思った通りはいかないが、そのときに負けない情熱と信念があるかどうか。


○リスクについては、「チャンスとリスクが必ずあることを前提に考える」ことと「自分が負えるリスクかどうかを見極める」こと。

馬場さんの成功要因は、環境やチャンスに恵まれていたことも確かだが、家族の全面的な協力と本気でやりたいこととの出会いだと思う。ふと、私のバイブルでもある神田昌典氏の「成功者の告白」に相通ずるものがあるなぁと感じた。

やはり、起業は1人では成功しない。最も身近な家族の協力なくしては成功し得ない。今日の放送を聴いて「改めてこれを肝に銘じなくては」と思った。