入試シーズンに想う

入試シーズン真っ盛りである。

20数年前の自分の大学受験を思い出す。

学部によって、試験科目に小論文や記述問題など、マークシートでは計り知れない論述力を問うものもある。

しかし、どうやらコレが、全員の解答に目を通されている訳ではないという噂があるようだ(都市伝説かな?)。

つまり、マークシート問題でボーダーラインを越えた者もしくはギリギリのラインにいる者だけが、論述力という篩にかけられる。

このご時世にあって、アイデアやロジックやレトリックよりも、暗記力が優先されているのだ。

マークシートはダメでも、論述力に長けている者もいるはずだ。ロジックや自己表現力は十分知識に匹敵する重要なファクターだと思う。

もちろん、マークシートでも読解力は測れるとは思うが、依然アウトプットよりもインプット指向といえる。

その昔、浅田彰さんが、どこかの大学の入試問題に、著書『構造と力』の一節が出題され、「著者がここで一番いいたいことはどれか、次の5つの中から選びなさい」という問題を解いたところ、不正解だったとのこと。
苦笑しながら、浅田さんが言った言葉は「ここでいう著者って一体誰なんだろうね?」と。

昔も今もあまり変わっていないようだ。

いや、むしろ難易度は落ちているらしい。

大前研一さんに言わせれば、「集団IQが低下している」ということだろう。

いまや、個人だけでなく、学校も企業もメディアも政治家も国も「おバカ」傾向にあるようだ。

アメリカだけでなく、北欧やシンガポールなど、集団IQの高い国々を含め、世界全体を見渡す必要がありそうだ。

日本は今どの位置にいるか、次なるステップに進むには、まず現在地を確認することが重要である。