リッツカールトンに学ぶ

昨日以下の本を読了した。

リッツ・カールトン20の秘密― 一枚のカード(クレド)に込められた成功の法則 (単行本)
井上 富紀子 (著), リコ・ドゥブランク (著)

まず一言、すばらしい。
企業理念が従業員全員のDNAに浸透している。とにかく、会社が従業員を大切にし、信頼している。だから、従業員もモチベーションを維持・向上しつつ生き生き働ける。それが、自然と表情や行動に表れて、お客様の”心の琴線に触れる”サービスへとつながる。顧客価値を生み出すためのマーケットモデルである「なるほど」→「やっぱり」→「ずっと、もっと」を見事に実現している。まさに好循環スパイラルだ。

20のミスティークはどれもすばらしいが、私がもっとも良いな(というか実践的に現場で使えるな)と思ったのは、「権限委譲」である。事件は現場で起きる。お客様は生ものだから、その時にいちいち上層部にお伺いを立てていたら、癌はどんどん進行してしまう(事態が悪化してしまう)。だから、現場の主任スタッフが自己判断で行動できる権限を委譲している。同時に、金銭面でもお客様サービスや危機回避の目的で1日あたり約2000ドルまで使うことが許可されている。これは、従業員を心から信頼していないとできない業である。

それにしても、著者の井上さんが1年10ヶ月の間に全国63ものリッツ・カールトンを制覇してしまったのには驚いた。たとえ、旦那さんの代わりに出席した講演会で思いつきでした1つの質問「リッツ・カールトンを全部回ったら何かもらえますか?」に対し、リッツの桧垣真理子さんが「もちろんです!」と笑顔で答えてくれたことをきっかけに始まったリッツ巡礼(?)。だとしても、すごい。きっとお金があっても情熱がなければ成し得なかった業だろう。ご苦労さまでした。井上さんをお呼びして講演会でも企画したくなってしまう。

ともかく、感動の1冊になりそうだ。と同時に、何かしら自分の職場でも実践していけたら、みんなハッピーになることだろう。まずは、上司に読んでもらいたい。機会を見つけて薦めてみよう。


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