質問力はナレッジエンジニア力だ!

会議でも、セミナーでも、講演会でも質問をするということは、とても勇気のいるアウトプット行動だ。

何か質問したいけれどまとまっていないし、つまらない質問はできないし、無知をさらけ出すことになるかも知れないし・・・と、自分に要らぬプレッシャーを掛けて、ついつい誰かが先に手を挙げるのを待ってしまう。しまいには、「恥ずかしいから後でこっそり聞けばいいや」と自分に言い聞かせたりして・・・。

以前は、何も質問しないでも「ま、いいや」って思えていたけど、最近では「ここで質問しないと、大きな(ビジネス)チャンスを逃してしまうかも・・・」という危機感に襲われたりする。質問をしないで後悔することも多い。それに、他の誰かに先を越されると「負けた、悔しい!」とさえ思うようになった。

だから、最近はプレゼンの早い段階から質問を組み立てるべく、質問の準備を行うようになった。もちろん時には逆に、とにかく真っ先に手を挙げてから質問を考えることもある。自分のアドリブ力に掛けるやり方だ。

でも、それでも第一声はドキドキして、上ずってしまうことが多い。ガクガク震えたり、ハアハアと息苦しくなったりする。良い緊張感ならいいのだが、アガリ症なのかなぁとも思う。この”アガリ症”のせいで、質問のタイミングを逸してしまうことも多い。極度の緊張状態になると、手を挙げることができなくなるのだ。

質問はタイミングというか「間」や「頃合い」が重要だと思う。そして、聞きたい事を相手に簡潔明瞭に伝えること。たまに、「ココでソレを聞くかよ」とか「さっきの質問と同じじゃん」って思うものもあるし、漠然としていて答えにくい愚問も多い。

良質な質問は、そこから広がりが出るし、理解を深める手助けとなる。要は「質問力」を鍛えることだ。「質問力」とは、相手が答えやすく、会場の人にとっても聞き取りやすく、内容もわかりやすいシンプルなもので、自分が想定した答え、もしくはそれに付加価値のついた答えを導き出すような質問ができる能力である。いわば、ナレッジエンジニア(KE)に必要とされる能力に近いのではなかろうか。例えば、お医者さんの問診のように、患者さんに数点的確な問診を行うことにより、病状の一次診断を瞬時にしてしまう。

質問は、もちろん、第一目的としては、自分の理解を深めるためにするものだが、単なる自己満足ではなく、「相手や聴衆に負荷やストレスを掛けない」質問をしていきたい。そして、できれば、相手や聴衆に「印象に残る(心の琴線に触れる)質問」、「互いに成長し合える質問」を目指したい。

とにかく「インプットしたらできるだけ早いうちに、できるだけ整理した形でアウトプットする」ということに尽きるかな。まさに、鉄は熱いうちに打て(Strike while the iron is hot.)!

そして、もっとも大事な「アガリ症の克服法」としては、「社長気分で質問してみること」かなと。もちろん、偉そうな態度で質問するということではなく、経営者として部下や関連会社の「ビジネスプラン」をレビューするような気持ちで、「うん、うん、確かにそうだよね。で、ココはどう考えてるの?」といった合いの手を入れるような感じで質問を挟み込んで行ければ緊張も緩和されるような気がする。つまり、”助走”してから質問するのだ。ゴルフの「振り子の理論」にも通じるものがある。つまり、完全に止まった状態からスイング始動に入るよりも、少し前後に揺らす動作(ワッグルという)をしながら始動に入る方が、緊張せずに自然な形でスムーズなスイング・プレーンが描けるというものである。うーん、いろいろ応用できるな。昔、1年ほどゴルフスクールに通ってた甲斐がある。

何だか取りとめもない話となってしまったが、今日はこの辺で。