MakeIT21 on 2007.7.14

”夢は半径5mから”...「まずは家族とか同僚とか友達など、すぐ隣の人間に見せたい、理解してもらいたいという気持ちが大切。”自分のためではなく誰かのために”、そこから夢は広がって行く」

7/14(土)のMakeIT21は、このフレーズが全てだった。私にとっては、心に深く響く一言だった。
今回のゲストは、石川光久さん(株式会社プロダクションIG 代表取締役社長)だった。私はアニメーション業界にはまったく明るくないので、プロダクションIG という会社もご本人も初めて知ったが、生き様がカッコいいなと感じた。

起業のきっかけは、かの有名な大手アニメーション会社「竜の子プロダクション」にいた頃に「当時、才能のあるクリエータ(わがままな人が多い=お金になりにくい)が思い切り暴れる環境がなかったので、彼らの夢を叶えてあげたいと思った」ことが起点らしい。これは学ぶべきすばらしい発想だ。やはり、大手企業では守りに入ってしまう傾向にあり、なかなか突出した人材が育ちにくいようだ。私の職場でも同じ問題を抱えており、とても耳の痛い話である。

ビジネスモデルとしては、「純然たるアニメーション事業と海外などへのライセンシング事業をマッチングする」ことにより、ビジネスチャンスを生み、ドリームワークスなどのメディアと組むことで、更にビジネス展開を広がって行ったようだ。やはり、プレゼンスを上げる最大の手法はメディア(特に新聞やTVなどのマスメディア)を効果的に利用することなんだな。でも、それだけだと注目はされても、ビジネスにはつながらない。海外の投資家(この場合映画監督など)に「なるほど!これは面白い」と思わせる必要がある。それには、何といってもコンテンツの精度が焦点となる。幸い、日本のクリエータはディテールへのこだわりが半端ではなく、瞬間瞬間の細やかな描写に命を懸けているスタッフも多いようだ。かなり古いが、「あしたのジョー」や「巨人の星」を見ればそれが明らかである。

石川さん曰く「日本人は、忍耐力と集中力、そして、相手を思いやる気持ちが強い」とのことなので、これらを売りにして、日本発のキラーアニメーションコンテンツを次々と生み出してほしい。

私は、昔見た手塚治虫さんの執筆風景を密着取材したドキュメンタリー番組を思い出してしまった。「忍耐力と集中力、そして、マンガという空想の世界の中に子供たちの夢を実現させようとする強い思い」が彼をかき立てたのだ。執筆現場はまさに壮絶で、泥臭くて、非常に人間くさいところだったと記憶している。その番組を見ながら「こんな生活をしていたら早死にしてしまう」と本気で手塚さんを心配したものだ。

少し脱線してしまったが、今回の石川氏の話のポイントをまとめると、以下の4点ぐらいだったかと。

・相手のことを思った時に夢や目標が見えてくる
→自分のためと思ったら夢は逃げて行く
・自分だけで頑張らない
→柔道の精神(柔よく剛を制す)、相手の力を利用する
・毎日、一生懸命生きる
・捨てる勇気を持つ
→過去の資産を捨てる(リセットする)と、過去に引きずらずに次の目標へ向かえる

どれも抽象的なようだが、とても深い。それだけに、実行するのが難しい。

これらを心に留めつつ、私もまずは「半径5mから」頑張ってみたい。
さっそく、職場の隣人たちに夢を語ってみよう。共感を得たら一歩成功!!
(それか、隣人の夢を聞いて、ビジネスアイデアを作ってみる方が早いかなぁ)

さあ、明日から。