”白い恋人”たちに見る内部統制の必要性

小学校3〜5年生の頃、とある鼓笛隊に所属していた。主に小太鼓を担当していた。毎週日曜日、晴れた日は砧公園の奥の総合運動場か多摩川二子玉川)の土手、雨の日は世田谷区民会館で練習した。もちろん、年に数回は都心の大通りを演奏しながらパレードしたり、大きなホールの大会に参加したり、いわば「晴れ舞台」を経験した。しかし、記憶に残っているのはあくまで練習風景である。

特に、世田谷区民会館の外のちょっとしたスペースで、夕日をバックにして、女子がベルリラを下に置いて、自主練習をしている光景だ。オレンジ色の夕日とポールモーリアの「白い恋人たち」の音色が素敵なハーモニーを醸し出していた。今でも忘れられない素敵なワンシーンだ。

ところで、白い恋人と言えば...
”「石屋製菓」(札幌市西区)が主力商品「白い恋人」の一部で賞味期限を改ざん”との事件が発生した。しかも、”賞味期限を延長して出荷する行為は11年前から行われ、石水社長も了解していた。”とのこと。北海道では、雪印ミートホープに継ぐ、食の安全を問われる事件だ。

私も、よくお土産で買ったりもらったりしていて、お気に入りのお菓子だったので残念でならない。

それにしても、「『白い恋人』は本来、賞味期限を記載しなくてもいい商品だ」とするのはあまりにも乱暴ではないか。確かに、賞味期限はそもそも単なる目安であって、「おいしく食べられる期限」といった曖昧な定義の上に成り立っている。なので、焼き菓子などは賞味期限を1〜2ヶ月過ぎていても食べてみて大丈夫であれば、食べるケースもある。しかし、既に1〜2ヶ月ゲタを履かせたものであれば、トータルで3〜4ヶ月経過したものを食する可能性もあるのだ。

食の安全だけではなく、ライブドア事件コムスン事件などが次々と起きるにつれ、やっぱり、内部統制というか、プロセスまで含めた可視化(透明性)が要求されるのは当然だと思わざるを得ない。自分たちの基準や思い込みだけで突き進んでしまうと歯止めが効かなくなる。

我らがショーンK氏によると、J-SOX法とは、「出口(結果)調査だけじゃなくて、情報が出てくるプロセス(原因)の全てを見せて下さい。またその情報が適正に管理される社内体制を作って、これもまた報告して下さい」というもの。これは、企業や組織にとって「やらされ感たっぷり」で手間暇かかるものだが、今まで目に見えなかったものを可視化する事により、これらをメリットに変えて行けないか、というのがショーンさんの提言である。

★「メリットの可視化」=「業務効率向上、コストエンジニアリング、組織改革等々」か、なるほど!!

外部(IT含む)の力を借りて、組織や運用を見直すいい機会かも知れない。例えば、パッケージを導入するには、運用側をパッケージに合わせる必要がある。しかし、運用はなかなか変わらない。変えられると困る人たちがいるからだ。そこを、J-SOX法の導入により、組織や運用体制を根底から見直す必然性が出てくる。大胆なBPR(Business Process Reengineering)でも仕掛けるか。まさに「ピンチはチャンスなり」だ。