ディズニーシーで感動した一言

最近、ディズニーづいている。先週のディズニー・オン・アイスに引き続き、ディズニーシーに行ってきた。

たまたま半額でチケットを入手したため、休みを取って行ってきた。まあ、夏休み最後の思い出作り、といったところか。

うちの場合、まだ子供たちが2歳と小さいため、入れるアトラクションは少ない。ショーやパレードが中心となる。また、ディズニーランドに比べて、シーの方はキャラクターが登場する機会が少ない。

そんな中で大人も楽しめるアトラクションがある。私がシーに行くときは必ず立ち寄る「ミスティックリズム」だ。前説は以下の通り。

ロストリバーデルタ発見当初、我先にと訪れる人々や物資を運んだ飛行機の格納庫(ハンガー)も、やがて廃墟となり、再び青々と茂るジャングルと静寂に包まれました。ここで繰り広げられるのは雨や滝を自在に操る水の精霊、地を揺るがし岩山をも動かす大地の精霊、炎を司る火の精霊たちによる幻想的な世界。力強いリズム、目を見はる空中パフォーマンスの数々。ジャングルの神秘と伝説の幕が切っておとされます!

ともかく、力強いリズムと水が奏でる音。そして、アクロバティックで躍動的な動きにはつい引きこまれてしまう。約25分間完全に別世界を感じることができる。精霊たちの魂のこもった踊りは、劇団四季のミュージカルやマッスルミュージカルにも負けてないのではなかろうか。

また「マーメイドラグーンシアター」の「アンダー・ザ・シー」にも感動を覚えた。人間に憧れる人魚(アリエル)が、一度でいいから人間になって、人間の生活をしてみたいと願う。そこに、細木和子似の魔女(アースラ)がある契約を申し出る。「魅力的な人間の世界へ行くか、現在のちっぽけな世界に留まるか。但し、一旦人間の世界に行ったらもう戻れない。さあ、どうする。時間がないから早く決めておくれ!」と。しかし、アリエルの親友「おせっかいなエビ(セバスチャン)」が必死の説得を繰り返す。「行っちゃだめだ、アリエル。向こうに行ってしまったら、もうこっちには戻れない。君の両親や僕たち友達とも会えなくなる。残された僕らはどうなる?」と。そして、アリエルが契約寸前で踏みとどまったセバスチャンの言葉が「幸せはいつも近くにある。遠くを探さなくていいんだよ。」であった。

”隣の芝生は青く見える”という諺があるが、とかく人は近くにある”ささやかな幸せ”よりも遠くにある”煌びやかな幸せ(=幻想)”を追い求めてしまいがちだ。そして、それが手に入りにくいものだと知らずに、背伸びして手を伸ばしてしまう。なかなか手に入らないから、ストレスが溜まり、疲弊してしまう。最後には、そのギャップに苦しんで自ら死を選んでしまう者も...。

ギリシャ神話の”イカロスの翼”を思い出す。

大空に憧れたイカロスは、父親の作った鳥の羽を鑞(ろう)で固めた大きな翼をはばたかせて空へ飛んだ。空に舞い上がり、まず目にしたのは白い砂浜、紺碧のエーゲ海。さらに高く飛べば、名も知れない大小の島々が彼の眼下に広がる。彼は夢中で飛び続けた。そして高く飛びすぎたあまり太陽の熱で鑞が溶け、翼を失って海に落ちて死ぬ。

なぜ、私はセバスチャンの一言に感動してしまったのか?理由は良くわからないが、「幸せはいつも近くにある...」とは、決して「夢を見るな」とか「挑戦をするな」とか言っている訳ではないだろう。「一時の好奇心や気持ちで、大切な人を悲しませたり、傷つけたりして、自分だけ幸せになる(なれるかどかもわからない)のは本当の幸せではない」ということだと潜在意識として日頃強く感じているからかもしれない。

子供たちが感動する夢の国で、いい大人が感動してしまった。いい夏休みになったかな。