競合と統合そして戦略的連携

今日は台風の中、とある業界の2007年度研究報告会に参加してきた。

テーマは「厳しい競争の荒波を当業界組織がどう生き残って(勝ち残って)行くか?そのために何が必要か?どう連携していくべきか?」といった内容だった。

システムだけを統合すれば済むのか?人や物をシェアすればいいのか?組織丸ごと吸収&合併すべきか?はたまた、他力本願を止めて自前で努力をしていくのか?など、様々な考察や提言がなされた。

最終的には、組織トップの判断に委ねられるが、いずれも簡単なことではない。

「リソースシェリング」という考え方がある。人・物・金・情報などのマネージメントリソースを複数の組織でシェアするしくみだが、分担して収集し保管するという意味もある。例えば、社員のために複数の組織で同じ本や雑誌を購入しているとしよう。同時に同じ本が頻繁に利用されるような場合は、それぞれで同じ本を買い揃えておく必要があるが、それ程頻度がなければ、あるグループ組織やコンソーシアム内で1冊だけ購入しておいて、必要に応じて取り寄せ(貸し出し)を行えばよい。そうすれば、予算削減につながるし、自社で購入していない本や雑誌が読めるというメリットもある。

しかし、そうやってコツコツと努力して削ってもうまくアピールしないと、実績ベースで次年度の予算を申請されたら溜まらない。「今年度(予算に対して)これしか使わなかったから、来年度はその分カットしておくからね。」これでは、何のためにリソースを共有しているかわからない。ジリ貧予算を加速させるだけだ。

あくまで、リソースシェアとは「戦略的連携」なのである。つまり、新しいビジネスやサービスを行うために、新規に予算が必要となるが、そのためには、既存リソースの一部を他の組織と共有することにより、コスト削減を図るしかない。事業目標をしっかりと策定し、単年度ベース(その場しのぎ)の予算計画ではなく、3年・5年・10年先を見越した上での来年度事業予算計画でなくてはならない。

ここまでは理解できるのだが、戦略的連携の先に自社の競争力や優位性をどのように確保できるのか?といった問いには明確な回答はなかった。というか、グループ企業やコンソーシアム内では自己主張や競合は不要ではないか、とまで言われてしまった。だとすれば、自社のアイデンティティブランディングはどうやって維持・向上できるのか。この場合の関係性を「Win-Win」や「共生」と言えばきれいだが、どこまで「仲良子良し」モデルが通じるのか。

最終的には「サービスや企業の価値はユーザーが決める!」とする意見には賛成なのだが、もう少しプライドを持ってもいいのではないか。確かに、当業種は企業内でもノンプロフィットに近い部署なので、あまり競争競争と叫んでぎすぎすするのもどうかと思うが、「よいアイデアの元に新しいサービスを生み出し、ユーザーへ新しい価値をもたらし、その対価を得る」のが目標ではないか。であれば、部署間・企業間だけではなく、ユーザーやプロバイダー、システムベンダーなどのステークホルダー(利害関係者)とも連携し共生・成長するモデルを描くべきだと考える。

要は、競争や差別化には、まずは個人個人のユニークで斬新なアイデアが必要で、良いアイデアであれば価値を与えて、特許のような形で表彰されるしくみがあるといいなと思う。

Web3.0は、個人個人のインベーションであり、ウェブやネットを介してリアル世界に直接還元されるサービスだとも言われている。つまり、ユーザーを満足させるためには、社員一人一人がアイデアを出し合って、サービスモデルを具現化し、まずは自前で実装できるかどうかを考えてみる。そして、自前では厳しい(技術的に出来たとしても採算が取れない)などの場合に、必要に応じてリソースシェアや戦略的連携(アウトソーシングを含め)を行うといった段階的な発想が必要となるだろう。

今日は、様々な取り組みや考えを聞けて大変有意義であった。みんな熱かったな。私も負けずに頑張りたいと強く思った。自前でまず叩き台を作る。それを他とコラボレーションをして、他のいい所を抽出して、合わせたり組み替えたりマッシュアップして、新たなサービスを提供して行くこと。それが、私の生きる道でもある。

何だかわかりづらいBlogになってしまったが、眠いので今日はこの辺で。