MakeIT21 on 2007.9.8

今日のゲストは、インターネット広告事業「アドウェイズエージェンシー」の岡村陽久氏。

高校を2ヶ月で中退16歳で会社を起業し、26歳で東証マザーズ上場を果たす。「大卒から26歳で上場なら凄いが、自分は10年掛かっているのでそれ程凄いとは感じない」と至って冷静だ。

ビジネスモデルは「インターネット、モバイルに広告を載せて、効果があった時に、初めて成果報酬をもらう」というもの。つまり、頑張らないと売り上げ上がらないし、リスクの大きなモデルだと言える。

「とにかく自分にはスキルやノウハウが全くなかったので、数をこなすことしかできなかった。気合と根性で頑張っただけ」と語る裏には、相当の努力があったと窺える。それが、後々の人生の支えにも自信にもつながっているようだ。

話を聞くにつれ、恐ろしい程の生命力と雑草魂を感じた。自分をギリギリまで追い詰めて、そこから這い上がって行くタイプだ。それは、社長になった今でも脈々と生き続けているようだ。昨年業績が悪かったので、再度気合を入れるために「4畳半1間」のアパートに住んでいるとのこと。これもなかなかできることではない。自分のことをよく知っている証拠だ。「自分の性格はこうだから、こうじゃなきゃダメ」という”自分の型”をしっかりと持っているんだろうな。”若いのに素晴らしい!”と、どうしてもオヤジ発言になってしまう・・・。いや、年齢なんて関係ないんだな。頭で考える前にやってみること。そして、やって行くうちに、こうしたらやれるというのを自分の肌感覚として身に付ける(もしくは身に付けるまで動く)ことが大切なのだろう。

「格好悪くても、ゲリラ戦法でも、泥臭くても、地べたを這い回っても、夢に向かってやれることは何でもやる」というポリシーは、すべて自分の現場経験から得たものだろう。

インターネット広告事業をやろうと思ったきっかけは、2000年頃、サイバーエージェントの藤田社長が上場した時の記事を読んで、感銘を受け、インターネットに無限の可能性を感じたからとのこと。学歴もないし、インターネットのことをまったく知らないのに、無謀にもサイバーエージェントに転職しようとした。

結果は、

  • 1回目:Webから一般募集で申し込んだがすぐに断られた
  • 2回目:とにかく1回でもあってほしいと面接を申し入れたが、会ってもらえなかった
  • 3回目:会社で待ち伏せして頼み込んだが、会ってもらえなかった
  • 4回目:会社に手紙を置いてきた、それでも断られた
  • ※手紙の主旨は「給料は要らない、成果報酬で良い、(藤田社長が週120時間なら)週に122時間働く、とにかく営業を頑張る」という内容

と、就職には至らなかったが、この執念は凄い。

結局、何をしてもサイバーエージェントに入るのは無理なので、「もう自分でやるしかない」と思い立って起業した。そして、その後執念で会社を上場させるほどに成長させる。

もう1つ凄いエピソードは、起業する前に、システムや技術がわからなかったので、わかる人を探したそうだが、その探し方として、家の近くのコンピュータ会社で待ち伏せて、できそうな人を捕まえて、自分がやりたいことを説明して、技術的に出来るかどうか聞いたら出来ることがわかった。という話である。なかなか、待ち伏せして、いきなり質問を投げてまともに返す人も少ない。下手すると、変な人に付きまとわれていると訴えられてしまう可能性もある。これも、きっと熱意の成せる業だろう。計算や打算ではなく、「まっすぐでピュアな気持ち」は必ず通ずるものであると確信している。

最後にリスナーへの一言だが、
「困難に出会ったら、出来ない理由を挙げつらうことではなく、どうやって乗り越えられるかを一生懸命考えること。絶対に乗り越えるんだという強い思いが必要である。」と語っていた。

またまた若い人からたくさん刺激を受けてしまった。正直悔しかった。負けてはいられないな。私もいつまでも「自分に厳しくありたい」と強く思った。