仕事の幅

インターネットやメールなしに仕事や生活が成り立たない程、システムはライフライン化している。

そして、システム担当者は、システムと名が付けば何でも関わり、システムを介して様々なコミュニティとつながりを持ち、アドミニストレータ権限まで持っている。いわば、その気になれば何でも出来る立場にある。

しかし、なぜだろう。最近、仕事の幅が妙に狭いなと思い始めている。市場調査や企画立案、戦略策定など上流工程に絡んでないなぁ、と。日頃やっているのは、サーバやクライアントのメンテナンス、データ登録、統計、バックアップ、改造&バグ対応など下流の仕事ばかりである。もちろん、それも大事だと言うことは重々承知している。

現場からよく言われる「システム担当は俺たちが企画したものを実装さえしてくれればいい」という考え方はわかるが、それでは面白くない。システムを箱というか”枠”でしか捉えられていない証拠だ。

システムはコンテンツがあって初めて成立するものだ。では、システム屋がコンテンツに関心を持ち、運用サイド(現場)と対等に話ができるレベルになろうと努力しているだろうか?業務を理解し、技術を駆使してシステム化するところまでは興味があるが、システムのフレームが完成した途端に興味が冷めていく。という人も少なくないのではないか。

だから、デザインができないシステム屋が多いのかもしれない。「たくさん機能があって軽快に動く」といった”スペック性能”に酔ってしまい、肝心の「ユーザにどう見せるか」「どう見られたいか」といった”デザイン性能”部分が手薄になる。過去の資産やカレントで増えて行くコンテンツをどう管理し、ユーザーにどう見せていくのか?そこまで考えるのが、システム屋である。守備範囲は広い方が、いい。

私もまだまだ修行が足りないようだ。”バリュークリエーター”としてのシステム屋への道のりは遠い。