ジャイアンツに「最後まで諦めない気持ち」がもたらしたもの

ジャイアンツ優勝おめでとう!!5年ぶりのV奪回だ。しかも、優勝に相応しい劇的な逆転サヨナラ勝ちだった。

それにしても、今年のペネントレースは三つ巴の戦いで、最後までドキドキハラハラだった。
といっても、実は今年はほとんど試合を観戦していないのだ。球場に行くどころか、TVでも数試合しか観ていない。しかし、試合の結果は時々気にしていた。

はっきり言って、まったく期待はしていなかった。中日や阪神に勝てる戦力はないと思っていた。中日とは12勝12敗と五分の戦いを見せたが、阪神とは9勝14敗とかなり分が悪かった。

それにしても、選手全員の「思い」が勝ち取った優勝だろう。

高橋尚成と内海の14勝、高橋由伸の35本塁打、李の3年連続30本塁打、谷の打率321、と頑張った選手はたくさんいるが、私は、上原が”本意でない”ストッパー役に回ったことが最大の勝因だと思う。32セーブは立派である。

原監督は「今年のゲームを象徴するように、粘り強く選手が戦ってくれた。(4年間優勝がなく)私も悔しかったし、ファンも悔しかったと思う。選手は悔しさをぶつけて戦ってくれた。最高です。クライマックスシリーズのことは考えず、きょうは優勝を奪回したことに酔いたい。本当にファンのみなさんありがとうございました。」と非常に正直なコメントだった。

プロ野球の監督という仕事は、本当に体に悪い仕事だと思う。特に、ジャイアンツの監督は、相当しんどいだろう。何しろ、毎日勝つことを求められ、連敗などすればボロクソに叩かれる。負けた夜は、反省点を探しては、翌日修正して試合に臨む。でも勝てない。原監督は”眠れぬ夜”をどれ程過ごしたことだろう。選手へのインセンティブと自分自身のモチベーションをどうやってコントロールしていたのだろう。そんな中での、5年ぶりの優勝はさぞかしうれしいに違いない。

長嶋茂雄元監督もコメントしていたが、「原監督は大胆な選手起用で戦い、選手がそれによく応えた。高橋由のトップバッター、上原のクローザー、若手選手の起用……。勝利のための割り切り方が実に見事でした。」とあるように、随所に絶妙な采配が光ったが、マネジメントそのものよりも、「最後まで諦めない気持ち」がもたらした優勝に、改めて敬意を表したい。