MakeIT21 on 2007.10.6

今日のゲストは、株式会社コーチ・トゥエンティワン代表取締役会長の伊藤守さん。

テーマは、「コーチングって何?〜モチベーションってどう高める?」これは、私の最も関心のあるテーマといっても過言ではない。と同時に、最も苦手とするものでもある。

コーチングとは、クライアントが目標に向けて行く時に必要とされるツールやノウハウ、経験などを提供するもの。クライアント毎に1つ1つ棚卸しして、押し付けではなく、そのひとに合うやり方を提供するもの。今や、コーチングも個別対応、テーラーメイド型が主流なのだ。なぜ考えていることが実行できないのか?そのギャップをどう埋めて行くかがコーチングの目標とのこと。

そして、「部下の育成」・・・。これは私が今までもっとも苦手とする技能である。案の定、今日のメイントピックにも上った。

そもそも、日本になぜコーチングが必要になったのか?それは、バブル以降、全般的にマネージャの管理能力が低下したことが要因とのこと。古いところでは、山本五十六の語録に見られる「やってみせて 言って聞かせて やらせて見て ほめてやらねば 人は動かず」は、部下育成のバイブルともなっている。また、松下幸之助の「物をつくる前に人をつくる」哲学などに代表されるように、昔の日本は部下の育成が非常に優秀だった。

ではなぜ、コーチングがダメになってしまったのか?
それは、「みんなプレーイングマネージャになったことによって、部下の育成に手が回らなくなった」から。この答えは意外というか軽いショックだった。なぜなら、私がいままで目指してきたワークスタイルは、「プレーイング・マネージャ」だったからだ。そして、最近自分がプレーイングし過ぎる余りに、部下の育成が疎かになりがちだと感じていただけに、腹をえぐられた感じだ。確かに、最近自分のことで一杯一杯になりがちだから、何も反論はできない。

従来のコミュニケーションは組織ピラミッドの上から下への流れが主流だったが、最近では横断的または下から上への情報伝達が必要なのに、それができていない。若い社員に聞いてみたところ、「自分の話を聞いてもらえない」「上司が何を言っているかわからない」との意見が多いという。伊藤氏の見解では「上司が部下にストレートに言いにくいから正論のみを言ってぼやかしているのではないか」とのこと。

そして、部下の育成ポイントがいくつか出された。

  • 考えさせる機会を与えてあげる(テーマを持たせて考えさせる)
  • 失敗を受け入れてあげる許容量を持つこと(変化はエラーから起きる)
  • 業績を上げさせる(作ってでもいいからインセンティブを与える)
  • 褒め方にも工夫する(直接褒められたいタイプと周囲から褒められたいタイプがいる)
  • 小さな変化を積み上げること(今日うまくいったことを3つ上げさせる)

なるほど、指示待ち型人間が増えているのだから、自分で考えて自分で行動できるようにしてあげなくてはならないんだな。

さっそく、来週から部下への接し方を変えてみたい。まず、部下への声掛けを増やして、現状への不満や要望を吐き出させること。そして、何か課題を出してクリアしたら褒めてあげる。失敗しても怒るのではなく、なぜ失敗したかを一緒に考える。そして、再チャレンジの機会を与える。どうやら、その積み重ねしかなさそうだ。