MakeIT21 on 2007.10.20

読売ジャイアンツセリーグのクライマックス・シリーズ(CS)で1勝もできずに終わった。情けない気持ちでいっぱいだ。リーグ優勝だけで満足してしまったのか。試合間隔のせいか。いずれにせよ、あと一歩でリーグ優勝を逃した中日の勢いと気迫が勝ったのだろう。せめて、今日は好投していた高橋を早々に交代して、上原を投入するなど総力戦の姿勢を見せてほしかった。

さて、気を取り直して、本日のMakeIT21のゲストは、伝説のホテルマン「ミスターシェイクハンド」の加藤健二さん。テーマは「愛されるサービスとは何なのか?どうすれば、セールスやサービスの世界で人の心をつかむことができるのか?」だった。ホテルマン志望だった私には、興味深いテーマだ。

世はサービスの時代。サービスの真髄はホテルにあり。ホテルは元々旅人を癒す宿。旅人のことをホスピスと呼ぶ。ホスピタルは病院。ホスピタリティはホテルの語源でもある。ベネティアに700年も続いているホテルあるとのこと。驚きだ。これだけ継続できるということは、何かしら隠された秘密があるのだろう。「リッツ・カールトンの20の秘密」を思い出す。

加藤さんは、東京ヒルトンホテルで42年間ホテルマンとして勤め上げ、その後キャピタル東京へ。定年後も周囲から懇願されて数年間ホテルマンを続けたとのこと。まさに、真のホテルマンだ。

お客さんを知るには「お客様の懐に飛び込むこと」。お客様の名前、顔、会社名を覚えることが先決だと判断し、そこから1万人のお客さんの名前と顔を覚えた。これは凄いことだ。

加藤さん、営業マンタイプだったようだ。
加藤さんにとってサービスとは、「リピータになっていただくこと」。そのためには「どこまでおもてなしをするか?を考えて、行動することが大切」とのこと。

そして、加藤式お客さまサービスの極意とは???

  • ★「手のひら」:お客様のぬくもりを得るためには握手をしてお客さんを肌感覚で知ること
  • ★「かもしれない」:お客様の期待感を得ること、要求を先回りしてサービスすること
  • ★「職場以外でも紳士的」:外で乱暴な言葉遣いや態度をしているとどこかで出てしまう

なるほど。握手から入り、五感を研ぎ澄ましてお客様の本質的な欲求や要求を捉え、先回りしてサービスを施す。どこにいても、日ごろから紳士的な振る舞いをしていれば、いざというときにも紳士的な対応ができる。

また、ショーンさんの「今の日本のホテルのサービスレベルはどうか?」との問いに、「悪いとは思わないが、人材育成が足りない。自分はこれまで後輩を励ましながらやってきたが、プロのホテルマンが足りないことを身にしみて感じる」とのこと。どの業界でも、人材不足と後進の指導には頭を悩ましているようだ。

そして、「コンシェルジュという言葉が持て囃されているが、本来のあるべき姿とは?」との問いには、「お客様にきちんとしたご案内やマネージメントができること。マネージャの1人として、経験・貫禄・風格のある人がなるべき」とのこと。誰でもが簡単になれるものではないということだろう。

最後に、リスナーへのメッセージとしては、「楽を求めるだけではなく、一歩突っ込んで工夫や努力をしてみましょう。そして、一緒によい日本を作って行きましょう!そのためには、みなさんの力が必要です」とのこと。

情報過多で、忙しく、時間がない状況では、仕事でも家事でも”いかに楽をするか”や”いかにこなすか”を考えてしまいがちだが、少し掘り下げてみると、今まで見えなかったことや新しい発見があったりして、それが、次への視点やアイデアのきっかけになったりすることも多い。

私も、今後は仕事を終えてからでも、「本当にこれでよかったのか?」「もう少し違うやり方もあったのでは?」「実はこういうことだったのか?」と反省してみようかと思う。もちろん、仕事に着手する前や仕事中にそこに気が付くようになることが目的だが。