MakeIT21 on 2007.11.17

ブログの遡及入力です(11/17放送分なのに11/23に書いています)。

本日のゲストは、著書「世界一やさしい問題解決の授業」が30万部を越えるベストセラー作家の渡辺健介さん。
テーマは「考える力の養い方」

経歴(下記参照)を見たらびっくりするほど輝かしい経歴。しかも、イケメンのナイスガイだ。私もこんな経歴とマスクがあったら...とつい思ってしまう。

渡辺健介(わたなべ・けんすけ)
1999年イェール大学卒業(経済専攻)後マッキンゼー・アンド・カンパニー東京オフィスに入社。
2003年ハーバード・ビジネススクール入学、2005年卒業。
2005年、マッキンゼー・アンド・カンパニーニューヨークオフィスへ移籍。
同社を退社後、デルタスタジオを設立。

「漠然とした不安を持っている人は多いが、それを実際に分析できていない人が実に多い」とはショーンK氏の感想。「問題点は何かを探っていない」「分析の方法を知らない」ために、このような『不安人』が続出しているようだ。

それでは、どうやって問題解決能力どうやって見に付けるのか?
「世界一やさしい問題解決の授業」は中高生向けにかかれたものだが、実は最近ビジネス層に受けているとのこと。

その中の問題の1つは、「中学生のバンド”きのこラバーズ”がコンサートのお客さんが増えないことに悩んでいるが、どうしたらいいか(解決のプロセスをみんなで考えて見ましょう)?」というものがあり、これについても簡単に話してもらった。

上記の問題で考えると、まずどうしてお客さんがきてくれないかを考える(現状分析)。

1)そもそもコンサートがあることを知らない
2)知っているが行く気がしない
3)日時が合わない
4)場所が悪い
5)音楽に興味がない
6)質が良くない
7)親が反対

ちょっと考えただけでもこれだけ出てくる。

そして、次に要因分析へ。
ここでは、対策を立案し、濃淡(重み付け、優先順位)を付ける。こんなことは最初からわかってそうでわかっていないことだったのではないか?と反省。

次に、ビジネス的な視点では、「分解の木(イッシュウ・ツリー)」が必要とのこと。少なくとも、1年間は継続してやってみると確実に精度が上がる

例えば、「売り上げが上がらない」が問題だった場合。

まず、売り上げを上げるとは、
純粋な金額か、マーケットシェアか?
マーケットシェアだとすれば、カバレッジを増やすのか
コストを下げる
人件費が上がっている
どの部門の人件費か
人数か増えたからか、単価が上がったのか ...

このように、2〜3に分類して、どんどん掘り下げていくこと。

「アイデアは出てくるが、分析の木を使っていない人も多い」とはショーンK氏。

次に、「起業したい」が問題だった場合。
ひと、もの、かね、情報、技術、時間などの軸を決めて、どんどんブレークダウンして(枝を広げて)行くこと。
そもそもどういうことをしたいのか?
1.ツリーがどんどんできてくる
2.それらを重み付けをする
3.スケジュールに落としていく
4.ブレークダウンしていく
来年何すればよいか
来月何すればよいか
来週何すればよいか
今日何すればよいか ...

要は、PDCAを回せ!ということだと思う。
QCストーリーを使えば行けるのでは?と思った。現状分析→要因分析→目標設定→対策立案→対策案評価&決定→実施→効果測定→評価→軌道修正→・・・と。

この本は、元々中高生向けだが、親が買ってあげたり、ビジネスマン向けに企業研修でも引っ張りだことのこと。同じようなタイトルの本は世の中に多数あるのに、なぜいまさらか?

なぜ引っ張りだこかは不明だが、「結果を出すこと」はもちろん大切だが、それだけでなく「アプローチを知ること(プロセス)」が大事とのこと。「子供たちに分かり易いもの=ビジネスパーソンにも役立つ」ということか。

渡邊さんは、ハーバード2年間(約1千万)行って、マッキンゼーに戻って1年半で辞めた(お金は返した)。なぜか?それは、教育系がやりたかったから。我慢できなくなって、半年が我慢できずに辞めてしまったとのこと。

きっかけは、留学先で見たアメリカの歴史の授業だった。黒人に対する人種差別ビデオ(40年前)。どうしたらこんなことが起きるのか?を議論しているのを目の当たりにして、歴史やその授業の意義を痛感したとのこと。

日本人は、アメリカ人のように主体性を持って、自ら情報発信することが苦手。だから、それをできるだけ早い段階で教えたい。現在、教え方を磨いていることろのようだ。単なる問題解決ノウハウだけでなく、価値観や日本の文化を教えて、眠っている心に点火させたいとのこと。

まだ、現在31歳。まだまだこれから。「日本を変えたい!」と意気込みは立派だ。
ぜひ、応援して行きたい。来年からは慶應義塾高校での「授業」も決まっているとか。さすが、慶應。目の付けどころがシャープである。

私もぜひ見習って行きたい。