MakeIT21 on 2007.11.24

今回のゲストは、スタイリッシュ家電アマダナを手がける株式会社リアル・フリートの熊本浩志氏。
テーマは、日本の家電とは?家電ブランドの作り方を学ぶ。

それにしても、私は恥ずかしながら今まで「アマダナ」という家電ブランドの存在を知らなかった。
大手家電メーカ業界がひしめく中で、どうやって入り込んでいくのだろうか。ニッチな戦略とは?
他の大手と何が違う?

この問いに対しては、「全うに企画し、全うに設計し、全うに作って売ること」とあっさり。

「それにしても、”エッジが効いている”」とはショーンK氏。

さらに突っ込んで聞いて見ると「作って自らの手で売っている」「デザインコンセプトから設計し、作る、売る」
ところがポイントのようだ。だからこそ「ユーザに思いがストレートに伝わる」のだと。

また、家電だけでなく、住環境に興味を持っているとのこと。なぜなら「衣→食→住が満たされてくると、家電にスポットが当たるから」とのこと。

次に、起業するときに、通常は人がいないところを探すものだが、そもそもなぜ家電を選んだのか?
この答えは簡単だった。実家が電気屋ソニー東芝の販売代理店)で、小さい頃から家電に触れていた。メーカーの営業マンが遊び相手だった。当時は電気屋の息子が嫌だった(トラウマ)。しかし、気づいたら、家電メーカーに就職。運命を感じた、とのこと。

私も家が理容室だったので、子供の頃は「床屋のムスコ〜」とか言われて本当に嫌だった記憶がある。とにかく恥ずかしくて、家に友達を呼ぶのがたまらなく嫌だった。今思えば、理容師はとてもお洒落に見えるのだが...

家電メーカーでは、ユーザーや市場との距離を感じた、とのこと。もっと凄いものができるはずなのに、なぜできないのか、と。東芝時代、大企業で企画を進めるにはどうすればよいかを真剣に考えた。モノとか企画が良くても、人間関係、組織の柵(しがらみ)あって調整が大変だった、とのこと。

熊本氏は元々「自分で何かをやりたい、ものづくり(への憧れ)、規模の大きなモノ作り」という願望があった。市場が変化していく中で、今の組織はそれに即応できる組織でないと考えて転職を決意した。もちろん、市場に期待感を感じていたことも事実だった。人をとりこにさせるもの、ワクワクさせるものを作ること。そして、それに対応する組織づくりができないか。何かを0から作る、デザインする、作成する、売るを終始一貫して全部自分でやってみたい。

「川下から川上まで全部中に囲い込んでしまう=会社の中に全部内部化する」という戦略がアマダナの一番の強みかもしれない。大半の大企業は、役割分担や分業をしているために、商品開発に時間もかかるし、ユーザーの声も聞こえづらい。

これからデザイナーやクリエイターを目指す人へのメッセージは、
とかく「クリエイティブなもの=ビジネスにはならない」のだが、「結果を先に考えないこと」「やりたいって気持ちを周りに言いまくること」。まずは「行動を起こすこと」とのこと。

最近、私も「やりたいって気持ちを周りに言いまくること」の重要性は本当に痛感している。言い続けていると、だんだん回りも分かってきてくれて、さらに「そうえいば、以前○○がこんなことをやりたいと言っていたよ」と周囲に放してくれたり、協力してくれるようになればしめたものだ。そうやって一歩ずつ夢に近づいていくんだなぁ。

夢は宣言すると叶う」とは、「ほめ言葉ハンドブック」でベストセラー作家となった祐川京子さんの新刊本である。まだ読んでいないが、以下の解説からもわかるように、刷り込みが大事なんだなぁと感じた。

自分の夢や目標を、書き出したり、人に言ったりするのです。そうすることで、夢や目標を自分の潜在意識に刷り込み、それに向けた行動をとれるようになります。夢や目標に最短距離で近づくことができるのです。

熊本さんの次回の目標は、日本独自の米文化である「お釜(技術的に一番難しい)」を手がけたいとのこと。

さあ、私もそろそろ「刷り込み」から具体的な行動へと進める時期がきた。アイデアをドンドンと企画書に落とし込み、いろんな人にぶつけて行って磨きをかけて行きたい。