MakeIT21 on 2007.12.15

今回のゲストは、「日本一BMWを売る女」BMW伝説のセールスレディ勝本光江さん。
テーマは「セールスの極意とは?なぜ、こんなに彼女からBMWを買ってしまうのか?」

どんなに、バリバリのキャリアウーマンかと思いきや、その実は・・・
普通の主婦、いやちょっとだけ賢くてチャンスを物にした主婦、だった。

年間売り上げ実績は89台、通算1000台。

そんな彼女にとって営業とは、「お客様が夢を叶えるお手伝い」。
ショーンさん曰く「勝本さんは、いわゆる敏腕営業マンが持ち合わせている”攻め入る感じ”がしない」とのこと。

そして、「営業の3つの心得」とは、

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1.仮説を立てる
イメージ力。お客さんの顔を見ただけで趣向がわかってしまう。
仮説からリアルにしていく、自然につかめるようになる


2.お客様との関係づくり
何でも言える雰囲気づくり、本音が語れる地盤づくり。
元々おせっかい、頼まれると何でもやる(選挙のビラ撒きなど)。
BMWでない車を売ったコトもある。
車椅子が入る車が欲しい、といわれ一緒に日系ディーラーへ。
たまたま売れて行った
→それの頻度が高くなる


3.打率で攻める
失敗しても恐れない。
失敗ではない、次へのステップと思えば...
色を間違ったり、納車の時にアレってことや約束が裏切られることも...
その代わりに、別の人を紹介してもらった。
そしたら、1000万円の車を7−8台買ってもらった。

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次に、どうやって実績にたどり着いたのか?
38歳からスタート、免許は33歳で取った。
高校卒業後、経理→結婚→子供が幼稚園、車、事務パート、教官へ。
1年間で辞めて事務職、営業の方が向いていると言われた。
そして、1986年BMWジャパン入社。
最初は全然売れなかった。

★「”たまたま”を力に変えていく、チャンスを実績に変えていく力」があった!!

どっかで「営業が向いている」と自覚した瞬間は?きっかけとなったことは?
お客さんに別のお客さんを紹介してもらえるようになった。第一印象やファーストコンタクトが大切。
商品知識のない自分に対して親切なお客さんが多かった。「この本読んだほうがいいよ」「カークラブの
この記事は参考になるよ」とか。

これらの話を聞くと、勝本さんは「良い顧客を呼び込む術(自分では気づいていない)」を持っていたのではないだろうか?

勝本さんは、営業に行っても「車の話はあまりしない」とのこと。「近くを通りかかったので、ちょっと寄ってみました」とか「ちょっとお茶を飲みに」といった感覚で、顧客の家にお邪魔して世間話をして帰ってくるだけで、車が売れていくなんて魔法のようだ。

しかし、ちゃんと仮説を立てた上で、具体的に行動しているのだ。
例えば、「この車、誰が乗るんだろう?」とか「決定権者の奥さんはどんな趣味を持っているのだろう?」といった疑問を持り、仮説を立てて、自宅に営業に行って確証を取ったり、コミュニケーションの中で信頼関係を築くといった地道な活動を惜しまない。

最後にリスナーの営業マンへのメッセージ
「失敗は多いと思うが、失敗を失敗として捉えず、自分のためになると思って、楽しんで失敗すること!」とサラリと言っていたが、これは実に難しい。

結論としては、「何気なく起こったコト(チャンス)」を生かすこと。「気づき」が大事、ということだろうか。

また、リスナーからのメールでは、以下のような回答があった。

「こんな人からなら買ってしまう、と思える瞬間は?」

  • あえてマイナスポイントを話してくれる人
  • 中立性のある人
  • 名前を覚えておいてくれる人
  • スピーディな対応をしてくれる人
  • 当たり前のことをより素早くしてくれる人

なるほど、「聞き上手はセールス上手」なんだな。

また、ショーンズコンサルティングでも同感するフレーズがあったので、最後に紹介したい。
「経営者はCSよりもESに力を入れよ!」
「社員との信頼関係の中で透明性を打ち出していけ!」

最近、特に「顧客指向のサービス」、「株主の顔色伺い」などに力を入れている企業が多く、社員の満足度は後回しにしている傾向があるが、やはりそれは本末転倒だと思える。私の組織でもとにかくスタッフへのねぎらいが少ないのが気になる。明確な目標設定がないから仕方がないのかもしれないが、経営者は、仕事には多くの従業員や派遣スタッフの力で成り立っているのだということを改めて肝に銘じなくてはならない。

リッツカールトンの「従業員こそが最高のお客様!」という企業理念を思い出す。
私も起業する際には、これを第一の企業理念にしたいと思っている。