OCLCがEZproxyを獲得!!

EZproxyのユーザー用メーリングリストで、昨日以下の話題で持ちきりとなった。

OCLC acquires EZproxy authentication and access software

本当かよ、嘘だろ、ヤッパリ、保守やライセンスはどうなってしまうのか?、担当のCrisはどこへ行っちゃうの?...といくつもの思いが交錯したのだが、海外ユーザーの反応は意外に楽観的なものだった。

「Congratulations!」
「Well said! Best wishes, Chris.」
「Will you remain in Arizona or will you be moving to beautiful Dublin, Ohio?」
「"Thanks for your years of service to the library community. I hope you got lots of money from OCLC. You deserve it!"」 etc.

●EZproxyとは?

EZproxy は、アメリカのアリゾナ州にある「Usefulutilities社」が開発&提供しているプロキシサーバーソフトウェアで、サイト契約している雑誌記事データベースを、学外から使うためのシステムです。価格も安価で、設定も非常に単純です。使用するサーバーは、パソコンレベルのもので、十分です。価格は495ドル(約6万円ほど)で試験的にインストールができます。30日間の試用ができます。

●OCLCとは?

OCLC(Online Computer Library Center, Inc.)は、アメリカ合衆国を中心として世界各国の大学や研究機関で構成された非営利・メンバー制のライブラリーサービス機関です。スケールの大きさ、サービスの先進性、新しい技術への取り組みにおいて他に類を見ない、名実ともに世界最大の書誌ユーティリティと言えます。アメリカ合衆国オハイオ州ダブリンに本部を置き、米国議会図書館(Library of Congress)や大英図書館British Library)といった政府系図書館、ハーバード大学スタンフォード大学、オックスフォード大学やケンブリッジ大学をはじめとする主要大学の図書館、その他NASAスミソニアン研究所、メトロポリタン美術館世界銀行などの公的機関を含む、世界84の国と地域の50,500館以上の図書館がOCLCに参加しています。日本では1986年から紀伊國屋書店が代理店となっています。現在、OCLCのサービスは多くの研究機関にご利用いただいております。

要は、OCLCとは世界最大規模のデータサービスプロバイダーだが、一体、OCLCの本当の企みは何か?世界規模の図書館システムを作り出して、世界中の図書館を呑み込んでいくことだろうか?

OCLCは、図書館界のGoogleである。クールなソフトウェアベンダーやサービスプロバイダーを次々と買収し、傘下に治めている。最近最も大きかったのは、一昨年のRLG(Research Libraries Group, Inc)の吸収合併だろう。

Googleに続き、いよいよ日本の図書館界外資に食われてしまうのだろうか?

EZproxyは大変優秀でかゆい所に手の届くソフトウェアだっただけに、私としては残念だが、担当のChris Zagar氏が少しでも優遇されて、これからも図書館界や他の世界にもバンバンすばらしいソフトやサービスを作って行けるなら良しとしなくては。

ともかく、私にとっては年明け初の衝撃的なニュースだ。