WBS2.0 on 2008.03.27

久々にWBS2.0に参加した(といっても、先月参加できなかっただけだが)。

今回はモバイル特集だった。シークレットゲストはエンターモーションの島田社長、メインゲストは、モバイルファクトリーの宮嶌社長。そこに、エルカミノリアル社長の木寺さんも参戦して、盛り上がった。

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木寺さんは、携帯版RSSリーダー「ECRael」のバージョンアップ報告をした。縦長の大きいサイズ対応、トップ画面の変更、スクロールバー、フォーカスの点滅など見栄え部分がだいぶブラッシュアップされたようだ。そろそろ、リーダーだけでなく、発信系のサービスも手掛けるとの意気込みが見受けられた。

FLASHの出力部分のテクニックとしては、キャリアに合わせて端末ごとにファイルを作成するのではなく、FLASHを出力する瞬間に端末に合わせて最適化する方法を採用したとのこと。

ECRaelはFLASH技術を駆使して作られたクールな携帯版RSSリーダーだ(PC版もあります)。私も1年前ぐらいから利用しているが、デザインと機能両方について結構気に入っているので、うれしいニュースだった。

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島田氏のエンターモーションの「Media Magic 2.0」は、ケータイ用のコミュニケーション・プラットホームだサービスだ。モジュールのつなぎ込みによって、新しいサービスを生み出していく、いわゆる「マッシュアップ」を得意とするベンチャーだ。

CMS,メール,ポイント管理,デジタルコンテンツ管理・配信,懸賞機能,アンケート,シリアルID,SNS,アバター合成エンジン,広告配信,広告効果測定機能,画像変換・動画配信,ブログなど、機能は多岐に渡る。

勝手媒体とオープンインターネットが売りで、現在85媒体&250万件データベースを誇る。

ポイントは、箱もの(システム)だけでなく、着メロ,デコメ,FLASHゲームなどコンテンツもしっかり抱えているということ。「TSUTAYAコミュ!」などのサービスも手掛けているとのこと。「TSUTAYAコミュ!」は、3月だけで利用者数は7万人とは驚きだ。

エンターモーションは、現在社員40名。面白いコンテンツと面白いシステムを組み合わせて、面白いサービスを展開して行きたいとのこと。

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メインゲストの宮嶌社長は、エネルギッシュな人だった。ソフトバンクサイバーエージェントを経て、モバイルファクトリーを立ち上げた。なるほど、パワフルな訳だ。

プレゼンの冒頭で、いきなり次の2点を強調した。

  1. モバイルサイトを展開していない企業は一日でも早くサイトを準備すること
  2. モバイルSEOに取り組むべし

その心は、PCからケータイへのパラダイムシフトと国内モバイル市場53%のシェアを握るNTTドコモとGoogleが提携したことのインパクトを挙げた。

しかし、実態は、大企業ほどモバイルサイトを開設していないのだ。まだまだモバイルサイトの価値を重視していないということか。

モバゲー・ザッパラス・ドリコムアクセルマークなどの事例を挙げて、コンテンツプロバイダーの強みを力説した。まさに”コンテンツプロバイダーは死なず!”だ。

アフィリエイト”や”アクションインセンティブ”といったリスキーなビジネスモデルのデメリットだけではなく、使い所を説明していたところが面白かった。

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最後のプレゼンは、ホストの小川浩氏だった。

相変わらず、キレのあるプレゼン、コクのある内容だった。いつもながら、分かり易く、聞いていて安心感がある。

Modiphiを立ち上げて約3ヶ月。そろそろモバイルにも力を入れて行きたいとのこと。
Web2.0からモバイルへのパラダイムシフトは、ウェブが質的にも量的にも変化して来た結果であるという。

「ユーザー数×データ量」によって、使う人達の意識が変わってきた。

ウェブの第一世代の代表は元祖ブログの女王真鍋かをり”、第二世代は二代目ブログの女王しょこたん”、そして第三世代はグラビアアイドルの”森下友里”と例示した。第一世代では、芸能人が自由に物を語れるようになったこと、第二世代ではモブログ。よりカジュアルにブログに画像や出来事をアップ。第三世代では、グラビア画像をプロモーションに使うといった新しい広告モデルにシフトしてきているとのこと。なるほど!分かり易い。でも、”森下友里”さんを良く知らないので、この点は後で復習しておく必要がある。

そして、ウェブサービスの形態もどんどん進化しているようだ。

SaaS(Software as a Service):ソフトウェア不要

DaaS(Database as a Service):データベース不要

PaaS(Plathome as a Service):プラットホーム不要

つまりは、クラウドコンピューティングと呼ばれるプラットホーム丸ごとインターネットサービスプロバイダーが用意する形態が主流になると、ネットにつながるデバイスさえあればOKで、ローカルには何も置かなくて良くなる。Googleはまさにこれを実現しようとしている。小川氏はこれを”ウェブ上の雲”と表現する。その上で、自分たちは、觔斗雲(きんとうん)を作って行きたいとのこと。なるほど、地上の利用者と巨大雲の間に入って、自由に飛び回ってユーザにクールなサービスを提供する”孫悟空”そのものが小川さんということか。

小川氏はさらに、「EveryScape(360℃ストリートライフ)」や「GoogleOpenSocial」や「23 and Me(サーゲイブリンの奥さんが立ち上げたサービス?)」などクールなサービスを紹介した。まさに、ウェブのファンタジーワールドへのいざないだ。この辺りは、常に情報を収集して、勉強しないと付いて行けなくなるので、要注意だ。

最後に小川氏は、今後「iPone×ケータイ」の戦いは、”生態系や価値観のぶつかり合い”だと言いきった。

さて、我々はこれからモバイルに何をどこまで求めて行くのだろうか?PCとモバイルをどのように棲み分けして使っていくのだろうか?

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最後のディスカッションでは、社名の由来や気になること、影響を受けた人、プレゼンの極意などのテーマが話された。

プレゼンの極意で、「高橋メソッド」の話が出たので、調べたところ、「巨大な文字」と「簡潔な言葉」を使って、発表する人にとっても聞いている人にとっても、わかりやすいプレゼンにしましょう。ということらしい。

これに呼応して、小川氏は「情報量は多く、ポイントは少なく、多くを語ろうとせず1つのことだけを言う」ことがポイントとのこと。

あと、やっぱり小川氏は大人の市場で戦いたいと言っていた。ゲームとか着メロとかに行かない理由がそこにある。

やはり、ベンチャーの代表は熱いな。いい刺激をもらった。

もうすぐ今年度も終わり。来年度こそ、ベンチャーとのコラボレーションを実現したいものだ。