MakeIT21 on 2008.4.12

今回のゲストは、サイバーステップ佐藤 類(さとう・るい)さん。

テーマは、「世界中を楽しくするエンターテイメントを世界へ

オープニングで、ショーンさんが、少し難しいが、興味深いコトを言っていた。

人間の行動心理が、経済やIT社会に与える影響が大きくなっている」のだと。

その心は???

  • バーチャルの世界では、ユーザーの「選別的利他性」が中心となって社会を動かし始めている。
  • 「選別的利他性」とは、簡単にいうと「誰かのために何かをしてあげるコト」
  • そして、利他的な人の周りには利他的な人が集まる。そして、コミュニティが形成される。
  • Mixiとかに代表されるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)はその典型だ。
  • マスコラボレーション、オープンソース、SNS、ブログ...などなど

しかし、リアルでは、協力しない、文句をいう、チームワークが取れない、といった状態で、コミュニケーションが取りづらくなっている。

なぜバーチャルではできるのに、リアルでできないのか???

私が思うに、顔が見えないからこそ、うまく行くのではないか。直接顔を見なくていいから言いたいことも言える。誹謗中傷すれば、サイト管理者が削除したり、誰かが諌めたり、自然淘汰されていくから、比較的安全なコミュティの中でコミュニケーションができる。イヤなら止めればいいし、再開もできる。要は、あと腐れがない。

最終的には、このバーチャルな「心地よい状態」をリアルにも持ち込むことが、ネット業界共通の目標だろう。

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さて、メイン。

「類(るい)」という名前の由来は、三人兄弟(すべて男)で、上から「遊(ゆう)、創(そう)、類(るい)」とのこと。類は「仲間」という意味があり、今携わっている業務が「仲間との共有」なので、何かつながりがありそうとのこと。なかなか凝っているなぁ。私の知り合いに「ゆうそう」君という男性がいることや「るい」さんという女性の名前を取ってシステム名にしたことなどを思い出してしまった。

ところで、オンラインゲームの特徴は?
・知らない人と1つの空間を皆で共有し堪能すること
・仮想パーティ、うらみっこなし、ある種のSNS、どんどんつながっていく
・言語に依存しないのが強み、エンターテイメントという言語をつかったSNSサービス

なるほど「百聞は一見にしかず」ということか。私はゲームはまったくやらないのでよくわからないが、言葉が通じなくても、絵や動きを見れば楽しいかどうかわかるというのは、システム開発にも言えるな。ユーザーにプレゼン資料や仕様書などを見せてもなかなか理解してもらえないが、プロトタイプ(試作品)など「動くもの」を見せるとすぐに理解してもらえる。

佐藤さん曰く、ノートPC持って行ってプレゼンしても、言葉による説明は通じなくても、デモを見せればすぐに面白さは伝わるとのこと。サイバーステップでは、オンラインゲームを「世の中を楽しくする業務」と捉えているようだ。

ゲットアンプドR』は、2.5頭身のキャラクターを使った対戦格闘ゲームで11カ国で楽しまれている。ユーザー数は、現在2300万人。そのうち、1000万人が韓国だという。韓国の全人口が5000万人ぐらいだから、1/5がユーザと言うことになる。さらに、その主なプレーヤーは小学生とのこと。

しかし、ファミコンなどのスタンドアロン型ゲームとコンテキストは変わらないのになぜコレだけ支持されるのだおろう?

その理由としては、
・日本のゲームは、直感的に面白いので大抵の国でキュートだと言われる
・アジアにはPCゲームが多い、日本のゲームはあまり流入されていないから売れる

※国別ゲームの特徴
 日本:ニンテンドー的なゲーム、直感的、楽しいかどうか
 韓国:コミュニティ重視
 アメリカ:ストラテジー

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次に、プロフィールなど。

現在30歳、東京高専情報工学科出身、元々プログラマープログラミングコンテストで優勝経験あり、会社に行かないで個人契約をした、取り分は良かった。親にも、一次志望は無職、二次志望は電気通信大学と宣言して、見事一次志望合格とのこと(笑)

ともかく創業資金を貯めたかった、とのこと。

元々ファミコンの申し子でドラクエスーパーマリオにハマった世代だが、開発の場で学ぶうちに、プレーヤーよりも自分で作るほうが楽しくなった。世の中にないものを作りたかった。人に言われたモノではなく、自分で考えたものを作りたかった。だから、起業したのだと。

しかし、作りたいものと売れるものは違うのでは?

最初は、月3−5万円での売り上げ、10−15人しか同時ユーザ数が集まらなかった。それが、今や1番人気のゲームだと同時に1万人ぐらい集まるとはスゴイ。

制作したのは自分ではなくあくまで開発メンバー、自分はプロデューサだと佐藤さんは語る。現地パートナーと契約を行い事業展開をした。ソロバン弾かないことがよかったと振り返る。

やはり、日本的なものが好かれる所以だろうか。
   

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現在、社員100人で上場。

いつもあるのが、社員を背負っているというプレッシャー、人を雇用している責任は大きい、目の見えるところにいる人を大切にしたい、1分1秒を有意義な内容にすること

ビジネスで一番大切にしているコト?

  • ベタなことですが、社員の「命」を預かっているので、時間をムダにしたくない
  • できるだけ残業もさせたくない
  • 99人に対して相談できるので、コミュニケーションを重視している
  • 早く借金を返したい

目標は、200カ国・60億人にサービスしたい、と夢は大きい。

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最後にメッセージ。

仕事している間は自分の時間。有効に使うべき。命を賭けているのでそれを真剣にしてほしい!

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おまけに「ショーンズコンサルティング

○クライアントの相談内容:
 希望の会社に届かない、面接でうまく離せない、日本語がダメ、面接官を魅了する話し方を教えてほしい

●回答内容:
 ・ビジネスの現場では、1番は「パッション」
 ・心情的理解と論理的理解の両輪揃わないと人は納得しない
 ・魅了するのは難しいが、失敗しないコツはある
 ・頭の中に、目次を作る1−5ぐらい(本のように)
 ・小見出しを付ける
 ・外れたら戻す

※コツ
 ・最初に「言いたいことは3つあります」とか言うことで、相手の頭を整理してもらう。
 ・頭の中に絵を書く、帰納法演繹法で行ったり来たり試行錯誤

※まとめ
 ★大事なのはパッションとロジック
 ・パッションがあれば多少ロジックが外れていても伝わる、
 ・まずはパッションを伝える努力をしよう

私もパッションだけはあるので、あとはロジックを整理しないといけないなぁ。