顧客/ユーザー/利用者を知る

これだけ多様性の時代、ロングテールの時代になると、どのレイヤーにターゲットを絞ってサービス戦略を打つかは難しくなってくる。

トヨタとかグーグルとか、ヒト・モノ・カネが豊富にある巨大企業であれば、ロングテール丸ごと抱え込むこともできるが、弱小ベンチャーではニッチな隙間を狙うしかない。

その上で、自社のブランドをアピールしつつ顧客の琴線に触れるサービスを提供していかなくてはならない。大企業の真似をしていては勝ち目がない。

大企業ではなかなか手が出せない「小回りの利いて」「顧客指向が欲しがっている」サービスを「わかりやすく」プッシュしていかないと勝ち残れない。

宣伝広告やプレス発表などでの「文脈」や「ストーリー」が非常に重要になってくる。自分たちのサービスが他社より優れていることをいくらアピールしても伝わらない。自己満足的な表現は嫌われる。

アップルやグーグルは、他社のサービスには一切関心がない。他社がどうあれ、自分たちが良いと思うサービスをストーリー性を持って提供してくる。要は、相対評価ではなく、絶対評価なのだ。常識を覆すものであったり、夢があったり、生活に密着していたりする。何気ないことも見逃さず、リアルな肌感覚を重視する。彼らは、ユーザーの琴線を知っている。純粋に「こんなのあったらいいな」と思うものを慎重かつ大胆に華々しくリリースする。だから、かっこいい。

自分達の自己満足だけでサービス展開しても、顧客は付いて来ない。図書館とて、同じだろう。スタッフだけで考えたものや自分たちの業務改革だけでは通用しない。一部のヘビーユーザー以外の一般ユーザーが図書館を離れていってしまうのも無理はない。

今日の格言として、以下を紹介したい。

【売れないセールスレター】

キーワード:
セールスレターで、自分が言いたいことを言うと、売れない。
お客が聞きたいことを言うと、売れる。

解説:
自分が言いたいことを言っている限り、販売はできない。
お客が聞きたいことを言わなければならない。
お客が心の中で思っていることを、紙面で伝えてあげたときに、
「この会社は、私のことをわかってくれる」と反応するのだ。

(「仕事のヒント」神田昌典365日語録より)

「顧客/ユーザー/利用者を知る」ことは、すべてのサービスのファーストミッションとなる。

そのためにも、テクニックやバーチャルなコミュニケーション(楽なコミュニケーション)だけではなく、フェイスtoフェイスの密なコミュニケーション機会を増やして生きたい。