コンテンツを創るということ

人を魅了するコンテンツを創り上げることは容易なことではない。

松岡正剛氏(私にとっては校長先生)の千夜千冊のように、洗練された高度な編集術の施されたコンテンツは究極の目標だが、その1/100でもエッジの効いたコンテンツを創造する力があったならどんなに幸せだろう。

Web3.0は個々人がクールなコンテンツを生み出すイノベーションの時代と言われているが、Web2.0がもたらした爆発するソーシャルメディアがどの時点でWeb3.0に転換されるのであろう。

「多様性の時代=何でもありの時代」というのはいささか乱暴な気がする。つまり、名前や職業を明かさないブログ(私のブログを含めいわゆる日記レベルのコンテンツ)は「石」になれども「玉」になるのは難しい。

最近、このブログを書いていて不安になることがある。「こんな内容が乏しく一貫性のないブログを書いていても誰のためにもならないのではないか?」と。

これは、一種の恐怖であり、一種のスランプでもある。

いや「自己満足のためだけに書いているのだから読んでもらえなくてもいいんだ」と開き直れたらカッコいいのかもしれないが。

では、そもそも「何のために書いているのか?」,「誰かを想定して書いているのか?」,「何かしらコメントを書いてもらいたいのか?」

それなら、思い切って名前や職業を明かして、ドメイン(立ち位置)とコアコンピタンス(強み)を決めて、ブログを立ち上げた方がよっぽど、深いコミュニケーションが確立できるだろう。一般的に、個人情報の公開度合いが大きければ大きいほど、深い人間関係が築けると言われている。

しかし、それには「覚悟」が必要だ。更新頻度も然ることながら、コンテンツの精度が要求される。いいコンテンツには人が集まるが、詰まらなければ人は去っていく。

多量かつ効果的なインプットが必要だ。同時に、迅速でわかりやすいアウトプットが必要だ。多様な視点・センスとスピード感と共感・協調フィルタリングといった要素が必要だ。

昨年秋頃から私が主張している「セマンティック・フィルタ(情報と人とを多層的につなぐコンテクスト抽出ロジック)」もこの一種といえる。

さて、今日の「仕事のヒント --神田昌典365日語録--」に少し元気を得た。

キーワード:
お客様に役立つ情報を発信していれば、自動的にビジネスはコンテンツ化していく。

解説:
モノを販売するだけでは、ライバルとの価格競争に陥る。利益をあげるためには、モノに加えて、精神的な豊かさを実現するコンテンツを提供しなければならない。

コンテンツをつくるために重要なことは、お客様に役立つ情報を発信するというはじめの一歩を踏み出すことである。情報は呼吸のように循環するので、出せば入ってくる。入ってくれば、出したくなる。だから一度、情報を出し始めると、自動的にコンテンツ化は進むんだ。

顧客の立場に立ってコンテンツを創る。読み手の立場に立ってブログを書く。当たり前のことだが、忘れがちなことでもある。

コミュニケーションは「相手を知るための手段」。マーケティングは「顧客の心を読み解く道具」。「マーケティング=コミュニケーション」と言われる所以である。

「情報はひとりではいられない」

”結果を恐れずどんどんアウトプットしていく”という初心に立ち戻り、再度ブログを編集していきたい。