病める職場・病める友人
夕方、久々に病院に勤める同期(医療事務員)と会った。
しばらく休職&欠勤していた友人である。
休職&欠勤の原因は、逆差別というか職場でのストレスに他ならない。
つまり、仕事が出来すぎて、周囲から浮いて(孤立して)しまうのだ。
特に頑張らなくとも、普通に仕事をしているだけで、抜きん出てしまう。
自分だけが仕事をしていて、他人が遊んでいるように見える。
そうすると、周囲に腹が立ち、「このぐらいやって当然でしょう」と正論を吐いては周囲に疎まれる。
彼自身、そのギャップに苦しむ。他人をアップさせることも、自分を落とすことも難しい。
だんだんと、悪循環(負のスパイラル)に陥っていく。
彼は、個の能力が高い。PCで言えば、CPUやメモリ,HDDは高性能だ。
しかし、それが組織力(ネットワーク力やOS力)につながらない。
ボトルネックは何か?
はっきり言って、組織構造そのもの問題だと思う。
縦割り構造、セクショナリズム、自分の損得勘定でしか動かない組織、手柄の奪い合い、委託会社へ丸投げ、ノウハウが特定の人に付いて回る、共有しない、システム化しない、場当たり的で対処療法的、責任を取らない、チャレンジしない。主が牛耳る世界...
こんな組織がまだ存在するんだな。これでよく成り立っているものだ。だが、こんな組織なら、もはや要らない。
もちろん、その友人にも問題はある。純粋だが「KY(空気が読めない)」であるとか、妥協できないとか、不正は許せない、痛いところを突く、など融通の利かない面も多い。
しかし、そのような人材を無視して、寄って集って批判したり潰しにかかってよいのだろうか?
いくら、日本は曖昧さが売りの「のりしろ文化」だとは言っても、「負ののりしろ」ばかりじゃ困るだろう。
お互い領空侵犯せずに、みんなでおててつないで「何もしない」というのでは逆効果ではないか。
マネージャは一体何をしているのか?そもそもマネージャなど存在するのだろうか?
現状は”マネジメント不在(アナーキー)”の状態といっても過言ではない。
このような職場では、きちんと人と向き合うとか、適材適所に人を配置するとか、コミュニケーションを円滑にするとか、システムを導入しそれを運用するなどのマネジメントが不可欠だ。
マネジメントとは言っても、父なるマネジメント(規律や罰則)ではなく、母なるマネジメント(愛情をもって接する)が必要となる。
世の中には、当たり前のことが当たり前に進まない職場も珍しくないようだ。
このような事態を一掃するためには、”痛みを伴う構造改革”が必要になる。
結果だけではなく、ノウハウやプロセスもオープン化する時代である。
変なフィルター(小手先)でごまかすのではなく、根本的にスタッフの意識を変える必要がある。
「何のために働いているのか?」とか「お客様サービス満足度(CS)とは何か?」,「従業員サービス満足度(ES)とは何か?」を今一度考え直してもらいたい。
好例は外部に腐るほどあるので、どんどん流入して、浄化していくしかない。
友人には、この状況を「負を正に転換する絶好のチャンス」と捉えて、ゆっくりとでも前に進んでほしい。
ともかく、まずは勤務を安定させること。
それができない限り、他部署への異動もないのだから。