デザインで世界を改造せよ!

久々に「爆笑問題のニッポンの教養」を観た。

テーマは「デザインで世界を改造せよ」。

ゲストはデザインディレクターの川崎和男(かわさき かずお)氏。

略歴は以下の通り。

川崎和男(かわさき かずお)
デザインディレクター 大阪大学大学院教授 医学博士。伝統工芸品、メガネ、コンピュータ開発などから、人工心臓に至るまで、幅広くデザイン活動を行う。グッドデザイン賞審査委員長、毎日デザイン賞選考委員などを歴任。ニューヨーク近代美術館をはじめ、海外の主要美術館に永久収蔵・永久展示作品多数。

デザインは所詮”きれい事”。だが、徹底的にきれい事に拘ってやろう。そして、きれい事で世界を幸せにしようじゃないか。というのが、川崎氏の思いだ。

感性で語られることが多かったデザインの世界に、黄金比幾何学定理など、数々の数学理論を持ち込み、機能美と美しい形態を追求してきた。そのデザイン領域は、タワシ、メガネ、家電などの日用品から車椅子、ロボット、コンピュータ、原子力発電装置まで多岐にわたり、その先進的なデザインで国内外数々の賞を受賞。さらに、最新の幾何学理論を使い、人工心臓や人工臓器のモデルを作り上げ、生命医学の分野にもデザインを持ち込んだ。
川崎はデザインをあらゆる学問領域を結びつける方法論と位置づけ、デザインが生み出す新たな形によって、人類の未来像を探ろうとしている。

オブジェのように置かれた、継ぎ目のない人工心臓はアートともいえる。

数式で表せられれば、夢のように美しいデザインが実現できるとのこと。

そして、感染防止の注射器はまさに圧巻。コンパクトで安全できれい。

そうか、デザインもこのように使えばいいんだ!

デザインは、教育や社会貢献どころか、医療・福祉・介護にも使える。

「良いデザインは人の命さえ救う!」これは、肝に銘じておきたい。

それにしても、川崎氏は話がポンポンと展開して楽しかった。ちょっと訛っているところが、また親近感を覚える。もうすぐ還暦を迎えるなんて信じられないほど若々しかった。

爆笑問題の太田氏も川崎氏と同じタイプらしく、お互い性格が合いそうだと話していた。

毎回思うことだが、太田氏が何もかも承知で相手に議論を吹っかけているとすれば、彼は天才だ。

いや、実はそれを引き出している田中氏の方が一枚上手なのかも知れないな。

天才と凡人は紙一重というが、それを分けるポイントは「愚直さ」なんだと思う。

2項対立で便宜的に言えば、人間は職人気質か評論家気質に分けられるが、人間として面白いのは間違いなく職人気質で、自分の五官で生きている人々だろう。

自分でやってみること、具体的に動くこと。

つまり、一歩踏み出せるかどうかだ。