また一人優秀なSEが...
10年来の付き合いのあるメーカーのSEさんが、突如退職することになった。
非常に優秀で、責任感が強く、フットワークも軽く、コミュニケーション能力の高い方だった。
特に、トラブルの際によくお世話になった。
嫌な顔一つせず、親身に相談に乗ってくれた。
いろいろな提案をくれた。
一緒に汗をかいてくれた。
とにかく、彼には全幅の信頼を置いていたのだ。
昨年11月ぐらいから顔を見る機会が少なくなって、営業さんから「ちょっと体調を崩して休んでいる」「お父さんが倒れて看病のために休暇を取っている」などと聞いていて「大丈夫かなぁ」と心配していた。
それが、今日そのメーカーの方々(上司や営業や後任のSEなど)が大勢やってきて、何事かと思いきや、「彼が数ヶ月前からうつ状態でずっと連絡の取れない状況にあったこと」、「本人から12月末で退職の申し入れがあったこと」、「退職の意思が固いこと」、「引継ぎはこれからやる予定であること」などを説明された。
ショックだった。
依りによって彼がなぜ???
信じられなかった。
しばらく放心状態になった。
「うつ」は彼だけの問題ではない。
誰が悪いと言う訳でもない。
彼を取り巻く人間関係の問題であり、職場の問題であり、会社の問題であり、社会の問題であり、世の中全体の問題である。
組織全体で取り組むべき最重要課題なのだ。
他人事ではない。
いまや「メンタルヘルス」は企業戦略である。
私が起業したら、社是や企業理念の1つ目に上げることになるだろう。
社員の心身の健康が第一義であるのは当然だ。
きっと、もう彼と直接は連絡が取れないと思うが、どうしても御礼が言いたかったので、上司の方に「もし気が向いたら連絡をくれるように伝えてください」、「感謝している旨を伝えてください」と言うのが精一杯だった。
彼には心から感謝している。
いつか元気になって、もう一度一緒に仕事がしたい。
今後何をするにしても、ただ元気でいてほしい。
今後の彼の活躍を祈るばかりだ。