Giveの5乗
朝日新聞の「be」という土日の特集記事がある。
普段、あまり新聞を読まないのだが、これだけは結構読んでいる。
土・日に分かれていた青beと赤beが土曜日に統合されたとのこと。
4/4(土)の記事の2大特集は以下の2つだった。
be−1:女子マラソン五輪金メダリストの高橋尚子さんの『新たな道 走り始めたQちゃん』
be−2:『美声、美形、ちょいワル 尾崎豊「15の夜」』
尾崎は、最近自分のブログ「尾崎豊〜もう一つの原点回帰」で触れたばかりなので、ここでは詳しくは触れないが、10歳の時に練馬から朝霞に引っ越したのだが、なかなか朝霞に馴染めず、練馬の友達の家に入り浸っていたようだ。転校生だったオザキはいじめられていたらしく、鞄にナイフを忍ばせていたとか。頑ななオザキらしいエピソードである。
Qちゃんは、いよいよ第二の人生をスタートさせたようだ。
「マラソンしかしてこなかった自分に一体何ができるだろう?」と考えに考え抜いた。
自分のやりたいこと・できること・やらなくてはならないこと、を紙に書き出し、マネジメントを手掛ける安野仁さんと2人でブレストを行った。
金メダルホルダーであることを生かしつつも、それに驕ることなく、謙虚になって、一から自分を見直す姿勢で臨んで生きたいという思いが伝わってくる。
「ランナーとしてではなく、高橋尚子という人間を知ってもらいたい」というのが彼女の願いである。
柱は3つある。
- 陸上の普及
- 市民マラソンへの参加
- 環境、慈善活動
「1.陸上の普及」は、TVキャスターや解説者として、メディアを通じて、走ることの楽しさを伝える。
「2.市民マラソンへの参加」は、リアルな実践の場として、市民と一緒に走ることで、マラソンの姿勢や息づかいを教える。
「3.環境、慈善活動」は、日本の不要な靴を集めて、ケニアの子どもたちに贈り、1人でも多くの子が走れる環境を作る。
どれも立派な柱であるが、特に「3.環境、慈善活動」は、マラソン先進国とも思えるケニアであっても、マラソン選手として生きていけるのはほんの一握りらしく、貧困のため、走りたくても走れない子供たちが大勢いるとのことなので、意義のあるエコ・リサイクルな活動と言える。
1,2,3と共通していることは、今までの経験の中で積み重ねてきたノウハウや認識、そして研ぎ澄まされた感性
を、編集して、社会還元(Give)していくということである。
これからもずっとQちゃんを応援していきたい。
beの中の連載記事に、最近私の中でもホットな勝間和代さんの「人生を変えるコトバ」という記事を発見した。
今までは「自分ナビ」という表題だったが、この度リニューアルしたとのこと。
今回のテーマは「Giveの5乗でいこう」というものだった。
Give&Takeを突き詰めて、『自分の得意技を見返りを求めずGiveしまくる。すなわち、Give&Give&Give&Give&Giveくらいの気持ちで徹底的に利他を追求した方がもっとうまくいく』という発想である。
確かに、自分の足で稼いだ情報を無償提供することは惜しい。
しかし、それを惜しんでいては、自分以外には一切広がらず、結局自分の成長も止まってしまう。
勝間さん自身、考えていることを言葉にしてブログに書くことをこれまで以上に熱心に行うようにすると、人生にめまぐるしいくらいの大きな変化が起きた。
友人が出版した本をブログで紹介した → 同じ出版社から「本を出さないか」と問い合わせがあった → 自分が出した本についてファンが自分のブログやメルマガで紹介してくれた → 本の売り上げが伸びた
という好循環スパイラルが生み出されたようだ。
自己啓発セミナーに通いビジネス書を読み漁って自頭力を鍛えるだけでなく、自己の体験やノウハウを他に発信し、他と共有して相互成長し合うモデルがこれからのライフスタイルとなってくる。
一度でも成果を出したことのある人はなおさらだろう。
最大限Giveする(リスクをテークする)ことで、自己成長(リターン)を最大化すること。
これも、エコ・リサイクルにつながってくるのだろう。
ここ数年、ビジネスシーンにおいても、「コンペティション」から「コラボレート」、「利己的」から「利他的」へのパラダイムシフトが起きている。MixiやWikiPediaが好例だろう。
今週号は、ワークもライフもエコ&コラボレートなんだなぁ、と思わせてくれるbeでした。