財布を忘れて思ったこと

今日珍しく財布を忘れた。

定期券(Suica)だけは、別に入れていたので、電車には乗れた。

コンビニで、毎朝の朝食セット(パン1個、ジュース1本、ガムAQUO1個)を抱えてレジに行って、おもむろに財布を出そうとして、「あれっ、ないっ、どうしよっ」となって少しパニクッてしまった。

「財布忘れました。やっぱりいいです。」と朝食セットを返して外へ出た。

結局、今朝は朝食抜きだった。

これじゃ前頭前野が活性化できないよ。

脳トレ東北大学川島隆太教授に言わせると、「会社で真っ先に首になる」パターンだ。

次なる問題は昼食だった。

元来、人にお金を借りるのが得意ではない私は気軽に「1000円貸して!」とも言えず、「今日の昼別で行くから」と言い捨てて駅へ向かった。

Suicaのチャージが900円ほど残っていたので、駅構内に行けば何とかなると思った。

ともかく、普段チャージで買い物とか食事とかする方ではないので、どの店で使えるかがわからなかった。

案の定、駅構内はSuicaで食事もできることがわかったので、680円のランチを堪能した。

ようやく飯にありつけたのだ。

こんなに昼飯がありがたいと思ったことは久々だ。

と同時に、こんなにみじめな思いをしたのも久々だった。

それもこれも「今日財布忘れちゃったからお金貸して!」の一言が言えないためだ。

”恥ずかしい”とうよりも、”情けない”、いや”他人に貸しを作るのが嫌”なのだ。

もう少し正確にいえば、「他人に弱みを見せたくない」ということだろう。

単なる”ええかっこしい”なのかも知れない。

虚勢を張って生きている男のつまらないプライドとでも言おうか。

じゃあ、逆にお金を貸す方はどうか?というと、これもあまり好きではない。

というのも、昔、大学時代にお金を貸して何度か踏み倒されたことがあったからだ。

2−3万程度の金額だったが、学生にとっては大金だ。

それも、単に忘れているだけならよいのだが、こっちから何も言いだせないことを良いことに、”忘れてくれたら儲けもの”とばかりに、だんまりを決め込んだり、居留守を使ったりするのだ。

さらにひどいのは「貸す方がちゃんと覚えていて請求するのが当然だ」と思っている輩がいることだ。

恥じらいも引け目も負い目もへったくれもあったもんじやない。

これだけ図々しくなれたらもっと楽に生きれるのにな。

起業家や社長たるものもっと図太く生き抜け!といわれそうだが、図太いのと図々しいのは異なる。

そういえば、自分は昔から「ずうずうしいこと」や「なあなあになること」は嫌いだった。

ベタベタした人間関係が嫌いで、あっさり&さばさばしている方が好きだった。

そう、私の座右の銘の1つは「親しき仲にこそ礼儀あり」なのだ。

「お金はできる限り貸し借りしない」というポリシーはこれからも強く継承することになりそうだ。